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【研究部門最前線Vol.23】R&D双方の“鋭才”が揃った最高のチーム。AIで社会を変える挑戦が本格化する好機到来

R&D双方の“鋭才”が揃った最高のチーム。
AIで社会を変える挑戦が本格化する好機到来

ニューラルポケット株式会社

イギリスや中国など様々な国のエンジニアが揃う。物性物理学や化学、
数学の博士号を取得したメンバーもおり、高度なスキル・知見を持った人材が世界最高水準のAI開発を支える

アパレル×AIで新事業を創出する

2018年に創業したニューラルポケット。AIによる画像解析・動画解析技術を基盤としながら、事業領域をアクティブに開拓してきた。現在はファッション・スマートシティ・デジタルサイネージの3分野で事業を展開している。

同社はコア技術であるAIの研究開発だけにとどめず、社会実装することに注力する。CTOを務める佐々木雄一氏は「AIは事業立ち上げの起爆剤。社内で開発した新技術の種を未開拓の分野にまき、新たな事業に結びつけたい――そんなモチベーションが私たちの組織を牽引している」と話す。

ファッションではSNSに投稿されている画像を年間約100万枚以上も解析し、カラーやコーディネートの傾向を把握、アパレル企業に提供するサービスを開発した。

従来型のトレンド予測にとどまらず、売れ行きが伸び悩む「逆流行色」まであぶり出せる。これにより、社会問題にもなっている在庫廃棄率を改善。提携先のアパレル企業では着実な成果を挙げている。

スマートシティ事業でも画像解析によって、都市の多様な〝現場〞をデジタル化。動線を分析して、立ち入り禁止区域に入った人にアラートを出す仕組みを構築するなど、都市開発関連の事業者へのサービス提供を狙う。デジタルサイネージ事業では、画像認識のアルゴリズム開発を担当しつつ、広告代理店や地権者、ハードウエアやエッジコンピューティングデバイスのメーカーなど、様々なプレイヤーの巻き込みも進める。

「受託開発で受け身に回ることなく、積極的にビジネスを展開する主体でありたいと考えています。マッキンゼー・アンド・カンパニー出身のCEOがビジネスサイドを主導。そして、ラボとしても機能するエンジニアリングチームがビジネスアイデアの基盤を支えています」

研究とプロダクト両面作戦が進行中

社員の約6割をエンジニアが占める。博士号を取得した国内外の研究者が集結する一方、ソニーや日立製作所などメーカーからの転職組も存在感を発揮。同社のビジネスのコアになるR&Dを推進している。

「アカデミアの見地からAI技術を実用化するリサーチチーム、〝プロダクト愛〞にあふれたものづくりを進めるディベロップメントチームが両輪で駆動しています。創業当初は研究、そしてものづくりの両面で高度なレベルに達するジェネラリストを求めていましたが、今は〝スパイク〞のきいたメンバー(特定の技術、知見に突出した人材)が能力を発揮できるようになってきました」

ちなみに、リモートワークは禁止しており、週末は完全オフ。定時退社を基本とする良好な労働環境に加え、CTOの佐々木氏はアカデミックの研究職がパフォーマンスを存分に発揮できるよう、ゲーミフィケーションを活用した目標設定に配慮する。環境づくり、仕組みづくりの両面から魅力的な組織を目指す動きが活発だ。

「AIがコモディティ化しつつある今、開発の最前線で課題解決に挑める高度人材が加わりつつありますし、デジタルサイネージ事業の拡大に伴ってエッジコンピューティングのエンジニア、データサイエンティストが活躍できる環境もあります」

人材の多様化はプロフェッショナル集団をさらに先鋭化させていく。R&Dとビジネスを理想的に回していくニューラルポケット。AIのビジネス実装をとおして様々な社会課題の解決、まだ見ぬ新事業の創出というダブルインパクトを目指す。

アパレル企業にデータ分析システムのライセンスビジネスとして展開するファッション×AI。SNSなどから収集した画像をトップス、パンツ、靴、アクセサリーなどのパーツボックスに分け、AIによって解析する。時系列にそってグラフ化すると、カラーやシルエットといったファクターの傾向が一目瞭然。流行色などのトレンド予測は当然、不人気要素をあぶり出すことで余剰在庫を防ぎ、社会問題化する在庫廃棄のソリューション効果も
デジタルサイネージのプラットフォームとなるスタンド

取締役 最高技術責任者(CTO)
佐々木雄一

ささき・ゆういち/東京大学理学部物理学科卒業。2014年、同大学大学院にて博士(理学)を取得。スイスの欧州原子核研究機構(CERN)でビッグデータ分析、AI開発に従事し、ノーベル賞を受賞するヒッグス粒子の発見に共同研究者として貢献。世界最高水準のAI研究の知見を社会に還元すべく、マッキンゼー・アンド・カンパニー、製造業におけるAI開発(ロボット開発・故障予測)を経て、18年6月、ニューラルポケットに参画。
ニューラルポケット株式会社
設立/2018年1月
代表者/代表取締役社長 重松路威
従業員数/40名(2019年7月末現在)
所在地/東京都千代田区有楽町1-1-2東京ミッドタウン日比谷日比谷三井タワー32階
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