Read Article

研究職の転職事情

研究職の転職事情

研究職としてさらなるキャリアアップや年収アップを目指す時、ないしは現在の職場に何らかの悩みや不満を感じた時、転職を視野に入れるという方も少なくないでしょう。


しかし研究職の転職は、他の職種と比べて転職難易度が高いとも言われています。


本記事では、そんな「研究職の転職」をテーマに、主に民間企業の研究職においてよく聞かれる転職理由や、実際の転職先のパターンなどをご紹介。


あわせて転職の際に注意すべきポイントなどもご紹介しますので、「まだ転職は考えてない」という方も、ぜひ将来のキャリアの参考にしていただければ幸いです。

 

【目次】
1-そもそも研究職の転職が難しい理由とは
┗1-1 求人数自体が少ないこと
┗1-2 退職率(転職率)が低いこと
┗1-3 専門性の高さから転職先が限られること
2-研究職の主な転職理由
┗2-1 より知識や経験を活かせる研究に携わりたい
┗2-2 待遇や人間関係・仕事の安定性などへの不満
3-研究職からの転職例5選
┗3-1 別の研究機関・企業
┗3-2 IT関連企業
┗3-3 医療関連メーカー
┗3-4 食品関連企業
┗3-5 コンサルティングファーム
4-転職を考えた時に注意すべきポイント
┗4-1 「なぜ転職するのか」を明確に
┗4-2 将来的なキャリアプランを考える
┗4-3 自身のスキル・経験・実績を棚卸する
5-まとめ

研究職の転職が難しい理由とは

まずは、そもそも研究職の転職が難しいと言われている要因についても触れておきましょう。
研究職の転職が難しいとされる理由は、主に以下の3点と言われています。

■求人数自体が少ないこと
第一が、「求人数自体の少ないこと」。研究職は専門性が高い仕事であるため、必要とされる人員数自体が少なく、営業職や技術職などと比べてそもそも募集される求人が少ないのです。

■退職率(転職率)が低いこと
それと付随して、研究職に一度就いた方の「退職率(転職率)の低さ」も、研究職の転職を難しくしている大きな要因。絶対数自体が少ない上に、辞める人も少ないとなれば、必然的にポストの数は減ってしまいます。

■専門性の高さから転職先が限られること
そして最後の一つが、研究職が専門性の高い仕事であることから、その知識やスキルを活かせる「転職先が限られる」こと。見落としがちではありますが、この点も研究職の転職を難しくしている要因と言えるでしょう。

研究職の主な転職理由

続いては、研究職の方々の主な転職理由についても見てみましょう。
研究職の方の転職理由は、大きく以下の2つに分けられます。

■より知識や経験を活かせる研究に携わりたい
より自身の専門性を深め、成長・活躍していくために、「新しい環境に行きたい」「新たなチャレンジをしたい」といった前向きな理由で転職される研究職の方は数多くいます。また、「もっと社会に影響を与えられる研究に携わりたい」といった理由で転職をする方も少なくありません。

■待遇や人間関係・仕事の安定性などへの不満
一方で、実は研究職における転職理由で一番多いのは、待遇や人間関係での悩み、自身の仕事の安定性への不安などと言われています。特に人間関係においては、研究職の場合、固定のメンバーで長期間働くことが多いため、一度人間関係ですれ違いが起きてしまった場合には、その環境にいること自体が苦痛になってしまうことも少なくないのです。

研究職からの転職例5選

では、研究職の方は次の活躍のステージとしてどのような企業を選んでいるのでしょうか。
実際に転職先として選ばれている5つの例をご紹介します。

■別の研究機関・企業
おそらくは、最もイメージしやすい転職パターンと言えるでしょう。
実際に、「より研究スキルを高めたい、実績を活かしたい」といった理由で転職する研究職の方々は、それまでの実績を武器に別の研究機関や企業への転職を目指すことがほとんどです。

■IT関連企業
研究職からの転職先として、IT関連企業への転職希望を出す方も少なくありません。
特に最近ではIT領域にまつわる開発分野が増えているため、エンジニアの求人ニーズは高く、関連する知識やパソコンスキルを持っていれば活かすことができます。

■医療関連メーカー
かねてより研究職からの転職先として人気を持つのが、医療機器メーカーや医薬品メーカー。医学部門や薬学部門をはじめ、エンジニア関連・クラフト関連においても研究職で培ったスキルを活かせるケースが多く、転職の間口が比較的開かれていることも理由です。

■食品関連企業
品質管理などにおいて研究職で培った知識・スキルを活かしたいという方が、食品関連会社を転職先に選ぶこともあります。
なお、食品関連企業には多くの研究部門が併設している場合もあるため、自分がどの部門で働くことになるかなどは事前に注意が必要です。

■コンサルティングファーム
意外かもしれませんが、コンサルティングファームへ転職する研究職の方も一定数います。
営業や技術職など職種の選択肢が幅広いことに加えて、企業が独自に抱え込んでいる課題を解決するためのアドバイスに、自身の専門知識が活かせることがあるためです。

転職を考えた時に注意すべきポイント

最後に、研究職の方が転職する際におさえておきたいポイントをご紹介します。有意義な転職にするためにも、まずは以下をしっかり行っておくことが大切です。

■「なぜ転職するのか」を明確に
どんな業界・業種に関しても言えることですが、まずは何よりも転職理由を明確にしておくことが重要です。
特に研究職→異業種の場合には、自身がなぜその仕事をしたいのかを深く掘り下げましょう。
それによって、志望動機にも説得力が増し、転職活動をスムーズに進められるはずです。

■将来的なキャリアプランを考える
転職理由が明確になった後には、将来のキャリアプランを考えましょう。
研究職への転職であれば「スペシャリストを目指すのか、マネージャーを目指すのか」。
異業種であれば、「それまでの経験を活かしてどのようにキャリアアップしていくのか」など。
5年後、10年後の自身のキャリアプランを具体的に描くことで、転職活動の方向性を定められます。

■自身のスキル・経験・実績を棚卸する
転職活動を本格化する前には、自身のスキルや経験、実績などを棚卸しておくことも必要です。
これまでに担当してきた研究内容、取り扱える実験設備や実験機器、研究における成果などを整理しておくことで、自己PRなども考えやすくなります。
なお、研究に直結する実績やスキル以外にも、プレゼン経験や、リーダー・マネジメント経験などもあれば、忘れずに棚卸しておきましょう。

まとめ

今回は、「研究職の転職」をテーマに、その理由や転職先のパターン、転職活動の際に心掛けるポイントなどをご紹介しました。
最後にお伝えしたいのは、転職自体は決して悪ではないということです。
勇気のいる決断であることは間違いありませんが、それはあくまでも、その人が望むキャリアや人生設計を実現するための一つの選択肢。
もしもあなたが、たった今転職活動をしているのだとしたら、その選択が有意義な結果となることを、私たちテクノロジストマガジンは心から願っています。

 

 

URL :
TRACKBACK URL :

コメント

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

Return Top